「鬼太郎誕生」真生版の血の多さに関俊彦「まさに出血大サービス」古賀豪は経緯明かす(イベントレポート)_乖
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古賀監督が「本来作りたかった姿」と語る「真生版」。制作に至った経緯を聞かれると、生真生版古賀監督は「『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』はPG12で公開することになっていたんですけど、の血コンテが出来た段階でチェックに出したところ、かなりのカットが引っかかりますと言われて。例えば最後のゲゲ郎(鬼太郎の父)が槍を抜いて身体が崩れていく描写があるんですけど、身体が崩れていく描写はNGだと。そうなるとかなり映画の印象が変わってしまうので、その段階でパッケージ化するときには、もとのコンテのR15+指定版で作らせてくれという話はしていたんです」と明かす。さらに「最終的にPG12でも意図が異なるという感じにはならなかったんですけど、最後までダメと言われていたのが流血表現。本来昭和のくすんだ色味の中に“赤が立つ”という設計にしたかったんですけど、『真生版』では赤を立てる、血を立てるという表現にすることができました」と満足した様子を見せた。
その経緯を聞き、「血の色が変わるだけでこんなにも印象が変わるのかとびっくりしました」と返す関。古賀監督がキャラクターデザインの谷田部透湖が改めて絵を描いたことを伝えると、木内は頷きながら「水木のことは男前だとは思ってなかったんですけど、今回の『真生版』を観て『あれ?男前かもな』って。カッコよくなってました」と言い、観客の笑いを誘う。また関が「血の鮮やかさと流血の多さ。これはまさに出血大サービスじゃないかと」と言うと、会場からは大きな笑い声が上がった。
古賀監督の指示で、座敷牢の会話のシーンからアフレコが一緒になったという関と木内。木内は「(水木のセリフ)『やだね』を何回もやり直したのを覚えています。最初はやさしすぎたようで、もっとキツく言い返してくださいとなって。そんないじわるな役なのかなと思いながら(笑)。『これくらいですか?』と言ったら『いやもっと』って。(トーンを落として)『やだね』と言ってOKをもらいました」と思い出を語る。関も座敷牢の会話のシーンを思い返しながら、「鬼太郎の父と水木が座敷牢に閉じ込められて、最初は険悪というか、背を向き合って嫌な空気が流れるんですけど、そこに(哭倉村の村長・長田と、その妻で龍賀一族の三女・庚子の息子の)時弥くんがやってきて、そこから時弥くんを懸け橋にして2人が会話するようになる。そこがクライマックスシーンになると、鬼太郎の父と水木と、結局時弥くん……そのときの彼は中身が違うんですけど、彼ら3人が戦いの中で象徴されるようになる。この関係性って、座敷牢のシーンから盛り込まれていたのかなって。後になって『うまい構成だなー』って思ったんですよね」としみじみ。それを聞いて古賀監督は、満面の笑みを浮かべた。
演じていて大変だったシーンについて尋ねられると、関は「一番大変だったのは座敷牢のシーンなんですが、それ以外でも釣瓶火を挟んで水木と鬼太郎の父が酒盛りをするシーン。あそこは水木と鬼太郎の父の信頼関係がガッと高まるところなので、丁寧に演じなくてはいけないなという意味でかなり難しかったです。同時に映画の中でとても好きなシーンで。あそこのシーンは改めて観てほしいですね」としみじみ語りかける。それを受け、もう一度注目してほしいシーンについて質問が及ぶと、木内は「水木が(哭倉村に)入村してトンネルを抜けてずっと村を歩いていって、長田に囲まれる前までのシーン。昔の田舎の風景……暑かったけど今ほどではなく、風もしっかり通っていて、緑があって。その中を水木は、これから何が起きるんだろうという不安を抱えながら歩いていく。あのシーンがすごく好きですね」と振り返った。
最後の挨拶で古賀監督は、「忘れられてしまうんだろうなと思っていたんですけど、1年経ってもまだ覚えていただけて非常に幸せです。この先もこの映画のことをずっと忘れずにいていたただけるとうれしいです」とコメント。木内は「327カットもブラッシュアップさせるというのは、大変な作業です。アニメーターさんたちが粘りに粘ってこだわって作業して『真正版』が出来あがりました。もちろんプロのこだわりもありますが、皆さんが応援して愛してくださった。そのことがアニメーターさんの背中を押してくださっんだと思います」と言い、ファンに感謝の気持ちを述べる。関は「前作同様、たくさんの人たちに観ていただきたいです。そしてまたいつの日か“鬼太郎の父”として皆さんに会えることを夢見ております」と語りかけ、イベントは幕を閉じた。
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